2013年03月03日

『フライト』

※これから映画『フライト』を観る予定のある方は読まないでくださいね。

今日、映画『フライト』を観に行ってきました。ロバート・ゼメキス監督、デンゼル・ワシントン主演のハリウッド映画です。日本では3月1日公開、飛行機事故のシナリオということで早速映画館に足を運びましたが、実際に観てみると飛行機事故がメインのストーリーではないことに気づきました。サスペンスでもあり、ヒューマンドラマでもあり、深いメッセージが隠された作品でした。

flight.jpg

冒頭では、フライトの3時間前になってもアルコールを口に含み、ドラッグを摂取するキャプテンの姿が映し出されます。現実では考えられない行動。そしてその後すぐの飛行機事故。目を覆いたくなるようなドラマがスクリーンに次々と映し出されました。

意外にも、酔っ払い機長は制御の効かなくなった機体を上手くコントロールさせ、緊急事態に冷静に向き合った末、草原への胴体着陸を成功させます。乗員を含め6名が命を絶つことになりますが、96名を救ったとニュースでは称賛を浴びました。それは、実際に2009年1月にニューヨークで起こったハドソン川の奇跡を思い出させました。USエアウェイズ1549便がエンジンの故障で不時着を余儀なくされましたが、機長の的確な判断によりハドソン川に着水し、乗客乗員155名全員が無事に救出された奇跡的な事件でした。その事件とこの映画の中のシナリオが大きく違うところは、機長の人間性でしょうか。

一躍ヒーローとしてメディアに取り上げながらも、アルコール検査の結果浮上してきた疑惑に苛まれ、それでもアルコール依存や嘘と葛藤する日々。映画の後半で繰り広げられるウィップ機長の堕落した生活は、まるで制御の効かなくなった機体のようでした。最終的には自身がアルコールを摂取していたことを告白し、刑務所行きになった機長ですが、同僚を事故で失いながらも最後まで嘘を貫き通そうとし、アルコールに溺れている彼の姿は、航空ファンとして残念でなりませんでした。アメリカでは搭乗8時間前よりの飛行士の飲酒が法律で禁じられており、実際にはこのような機長はいないはずですが、映画の中では散々の姿でした。乗客と一緒に機内に入るほど遅刻してきたり、フライト中に乗客提供用のアルコールを摂取したり、操縦席で居眠りをしている姿を観ると、現実の世界では乗客の命を預かってフライトしているパイロットに失礼だと個人的に思います。

この映画の最後のシーンは、刑務所の面会場でした。『僕の出会った最高の人』というテーマの論文を書くために面会に訪れインタビューする息子に"Who are you?"と質問され、ウィップ機長が"That's a good question."と答えたところでエンドロールが流れました。アルコールや嘘で塗り固められた人生から抜け出し、本当の自分を取り戻した自分の姿を想像していたのかもしれませんね。

飛行機事故ではなく、アルコール依存症の映画でした。


posted by Amelia at 22:59| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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