2014年11月27日

馬々と人間たち

変なタイトルだと思った方、いませんか? 私もそれに同感──先日観た映画のタイトルです。馬と人間たちでも、人間たちと馬でも、馬たちと人間でもなく──馬々(うまうま)と人間たち。映画を観終わった後、やっとこのタイトルが腑に落ちました。

この映画はアイスランドを舞台に撮影され、馬と人間の暮らしぶりを描いています。馬というのは「アイスランド馬」のこと、小ぶりで短足で、ポックポックと歩を進める独特な走り方に愛嬌があります。アイスランドのことを少し知れる気がして、先日のBlog記事「アイスランド研究員」で書いた研究活動の一環として、この映画鑑賞を選びました。

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この映画には正直カルチャーショックを受けました。人間同士の恋愛の発展途上中に、それぞれの飼い馬同士が目の前で交尾をし〔写真〕、ショックのあまり自分の飼い馬を殺してしまうシーン──理解不能。ウォッカ好きな男が酒を求め、飼い馬に乗ったまま冷たい海の中へ入り、すでに出航したロシアのトロール船まで泳がせるシーン──わぉ。それから吹雪で帰り道を閉ざされた若い男が、死を予感した末に同行していた馬の腹を裂き、内臓を取り出してできたスペースで暖をとって自分の命を繋ぎとめたシーン──これには口があんぐり。

こんなシーンが次から次へと出てきました。結末が読めない奇想天外な展開に、口をぽかーんと開けたまま、終始私の思考回路はシャットダウン状態。アイスランドの厳しい気候や、人間の身勝手な行動とそれを受け止める馬、有りのままのアイスランドを観た気がします。この映画の舞台は、アイスランドでもボルガルフョールズルという田舎のお話。首都であるレイキャヴィクでは、また全然違う世界があるんじゃないかと想像しています。

さて、なぜ「馬々と人間たち」というタイトルなのかというと、かつて無人島だったアイスランドを形成したのは、人間たちだけでなく、共に移住してきた馬も深く関係しているからだと私は理解しました。動物、例えば犬や猫などを犬々、猫々と言うことはありませんが、ここアイスランドでは馬が人間と共に歩んでいることから、人間たちのことを人々というように、馬たちのことを馬々と表現したのでしょう。また、馬を先に持ってくることで、馬がアイスランド人にとってどれほど大きな存在であるかを表しているのかもしれませんね。これ、ぶっ飛んだ映画が好きな人にはお勧めです。



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posted by Amelia at 23:57| Comment(0) | アイスランド研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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