2016年02月01日

九份と茶杯

"行きやすい海外"として常にランクインする台北。日本からは大手航空会社だけでなく、日本のLCCでも安く手軽に行けるようになりました。私も昨年の10月にようやくピーチの羽田−台北線で初訪問。定番ともいえる九份(きゅうふん)まで足を運びました。

九份へのアクセスは、旅の初心者でもラクラク。まず、空港などで買えるsuicaのようなICカード「悠遊卡(ヨーヨーカード)」があると便利です。特にバスではお釣りがもらえないため、慣れない小銭を探してモタモタすることもありません。MRTの忠孝復興駅1番出口を出てすぐの停留所から九份・金瓜石行きのバスに乗り、目的地へは約1時間〜1時間半で到着。ここでザザッと降りる乗客の流れに乗りましょう。

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九份の入り口から街の中心へと続く基山街は、細くてゆるやかな坂の路地。小さな商店がひしめき合っていて、鼻に届くのはパクチーとか魯肉飯とか乾燥した魚とかパイナップルケーキとか──ありとあらゆる匂いが混じり合った違和感。ふと聴こえてくるオカリナの音色が、視界に広がるノスタルジックな雰囲気をぼんわりと浮かび立たせて、昔の世界に引き寄せられていくような懐かしい感覚。五感を赴くままに開放して、無計画にただのんびりと散策しました。

基山街と直角に交わるメインストリートの豎崎路(シューチールー)の長い石段をのぼると、『阿妹茶樓(アーメイチャーロウ)』にたどり着きました。その時は九份の象徴的存在とは知らず、貫禄のある佇まいに感激。太平洋を背景に九份を一望できるテラス席で、贅沢な台湾茶タイムを満喫しました。10月の台北はまだTシャツでも心地よく、湿気の抜けた風を肌に感じながら時の流れも忘れるほどでした。

こんなことを書いていると九份が懐かしくなってきて、向かったのはキッチンの戸棚。バス停へ戻る途中で見つけた茶器専門店「宣龍(EILONG)」で気に入った茶杯をしまっていたのを思い出したのです。湯呑み茶碗と比べて小さいけれど、ほんの三口程度の茶杯で十分。熱々のお茶を一口すすると、かすかな香りと少しの甘みを口に残して胸の内側までじんわりとしみ込みます。人の心を満たすものって些細で、思い出とか、暮らし方とか、心のあり方なのかもしれない──今晩はしんみりと思いを巡らせています。


posted by Amelia at 23:59| Comment(0) | 海外の旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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