2015年04月24日

ANA宮崎就航20周年記念「UMKフライトコンサート」〜機上コンサート〜

「え、奏者に背を向けて座るの?」 驚きと、不思議な感覚に包まれました。いまだかつて、演奏者が見えないコンサートなんて聞いたことがなかったからです。少し戸惑いながら、指定の座席「6D」につきます。演奏する6名は、機内の後部から1列ずつ順番に座り、そして私たち乗客は前方から、あらかじめ決められた座席に腰を下ろしました。

最初から常識を覆すプログラムです。それもそのはず──空を飛びながら演奏会という、前代未聞なことをするのですから。機内では、乾電池式のPAを使い、ピアノとヴァイオリン、それから金管楽器(トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバ)でのクラシックとポップのコンサートでした。空の上での演奏は、誰もが未経験。「気になるのは、気圧の変化と揺れ具合ですね」と演奏者の一人が話していました。

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離陸してしばらくは気流が悪く、機体が小刻みに揺れていました。これでは演奏できないかもしれない──演奏者も乗客も、そしてクルーも心なしか不安そうです。そこへコックピットから機長のアナウンス。現在の天候や気流の状況について、通常のフライトよりも具体的な説明が入ります。機体が揺れず、かつ景色を楽しめる高度を心がけること、そして、コンサートを一緒に楽しみたいけれど、安全を守るために操縦室で頑張りますという頼もしい宣言に、乗客の顔に笑顔が戻りました。飛行ルートは、宮崎空港を出発し、高知の足摺岬、松山、岩国、大分の国東半島、それからまた足摺岬を経て宮崎に戻るというプランです。

機上コンサートは、金管5重奏のファンファーレで盛大に始まりました。ヴァイオリンとピアノによるクラシックの楽曲に続き、ジョン・レノン&ポール・マッカートニーの「ザ・ビートルズ」より、「抱きしめたい」「Yesterday」「Ob-la-di, Ob-la-da」のメドレーは、ブラスの絶妙なハーモニーと、ピアニッシモでも層の厚いサウンドが心地よく響きました。窓の外の景色を見ながらうっとりする人、そっと目を閉じて聴き入る人、身体でリズムを刻む人、終始満足そうに口元をあげている人も見つけました。観客のこんな姿、奏者の方々にも見てもらいたかったなァ。

機内を音楽ホールにすることは正解だったのかもしれません。コントラバスが機内に入らない、電源が使えないなど、色々な制約があったと聞きましたが、それを感じさせない演奏会でした。前を向いて座っていると、後ろから聴こえてくる音楽が不思議です。ヘッドセットをつけることなく機内で生の音楽を楽しむ、そんな粋なことはありません。ブラスのラッパは前を向いている楽器が多く、後部から前方まで、飛行機全体が音の世界で包まれました。7曲の演奏が終わると、乗客全員が笑顔で手をあげました。後方の演奏者たちへ届ける、割れんばかりの拍手です。

      次回のBlogでは、フライトコンサートの裏話について報告します。 >>>


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2015年04月23日

ANA宮崎就航60周年記念「UMKフライトコンサート」〜ランチコンサート〜

「ご搭乗ありがとうございます」
そう書かれた垂れ幕を持ったANAの地上職員や整備士、グランドハンドリングの方々の見送りで、飛行機が出発しました。2015年4月21日の13時ちょうど、第20回宮崎国際音楽祭のブームアップイベントとして開催された、ANA宮崎就航60周年記念「UMKフライトコンサート」の始まりです。搭乗したのは、ANA2020便、宮崎ブーゲンビリア空港から行く、特別チャーターフライトでした。

このイベントには、約4,000名の応募があったとか。参加者は北海道から沖縄まで──運よく選ばれた100名だけに贈られる、贅沢な演奏会でした。テレビ宮崎宮崎県立芸術劇場主催、ANAと宮崎空港ビルの協力により、世界でも他に類を見ない夢のような企画が実現し、大成功を遂げました。

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コンサートは、ランチ会場である空港3階のレストラン「コスモス」でも行われました。タンゴの楽曲中心のランチコンサートと、クラシック&ポップの機上コンサートの2部構成のプログラムです。1部は、カルロス・ガルデルの「想いの届く日」というナンバーで幕をあけました。宮崎国際音楽祭の音楽監督を務める徳永二男氏によるヴァイオリンのソロから始まる、ピアノとの素敵な演奏です。タンゴにしては控えめ、でも深いところからじんわりと伝わる情熱と切なさが心に響くナンバーで、いつの間にか温かい涙が頬を伝っていました。

当初知らされていたプログラムには、地上でのコンサートは含まれていませんでした。当日に飛行機が飛ばないかもしれない、飛んだとしても、気流などの影響で演奏できないかもしれないという心配から、ランチコンサートが設けられたのでしょうか。機上コンサートとは全く異なる内容だったのは、最悪のケースでも観客が満足できるように、予定どおりでも最大限楽しんでもらえるようにと、観客を配慮した主催者側の意向だったのかもしれません。

「魅惑のタンゴ」と題されたプログラムの一部は、宮崎国際音楽祭でもサテライト公演として、5月2日にサンA川南文化ホールでの演奏が決まっています。楽曲は、A.ピアソラの「リベルタンゴ」「アディオス・ノニーノ」、A.ビジョルドの「エル・チョクロ」など。ヴァイオリンとバンドネオンの掛け合いが軽快なリズムで踊るように流れる中、情熱の国の情景が頭に浮かび、うっとりせずにいられません。ひと足先にランチコンサートで演奏を聴けたことは、嬉しいサプライズでした。

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2015年03月15日

もっともっと"空の旅"を楽しもう

平日夜のミッドタウンは、インテリな香りが漂います。オフィスビルから、サラリーマンが談話しながら出てくるのを横目に、私はビルの中へと足を運びました。ミッドタウン・タワーの7階の一角にあるのは、スルガ銀行が運営する「d-labo」のスペース。先日ここで、航空ジャーナリスト・秋本俊二氏による、トークセミナーが開催されました。テーマは航空──『もっともっと"空の旅"を楽しもう』です。

まず、航空事故の写真がモニターに映し出されました。「え、こんな深刻な話なの?」と思ったのは、私のただの勘違い。飛行機は決して怖い乗り物ではなく、たとえ毎日乗っても、命の危険が伴うのは438年に1度の低確率──だから安心して空の旅を楽しんでくださいというメッセージでした。「ある機長から、空港へ向かう車や、車を出て空港ビルに入るまでの間に事故に遭わないか不安に思うことがあると聞きました。でもコックピットに入って、離陸すると、"あぁ、これで〇〇時間安心だ"と思うそうですよ。そのくらい彼らは飛行機を信頼しているんです」というこぼれ話も印象に残っています。

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年に70回以上、飛行機に乗るという秋本さんは、ご自身の経験談を面白おかしく話し、会場はときおり、笑いの渦に包まれます。なかでも、某航空会社が就航する海外の空港で、支店長からグランドハンドリングの様子を案内された時の話。現場裏で、「当社は見えないところでもお客様のことを考え、工夫していることがあるんです」と誇り高く話す支店長をよそに、目の前で新人君が乗客のスーツケースをコンテナに放り投げた・・・というくだりが最高でした。

スペシャルゲストとして登壇されたANAの現役客室乗務員の方には、今年の2月1日からリニューアルされたばかりの制服を披露いただきました。ジャケットの袖裏と、スカートの後ろの部分に入ったブルーと濃紺のラインが奇抜なデザイン。これには物議を醸したそうですが、このラインが身体を動かした時に波打ったり、機内設備のカラーと調和したりして、とても綺麗だと話すエレガントな姿に参加者は皆釘付け。秋本さんの「私のセミナーなんだけどなぁ」というつぶやきに、私は笑いが堪えきれませんでした。
posted by Amelia at 22:54| Comment(0) | ヒコーキ・旅イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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