2016年05月01日

ルイ・ヴィトンの旅スタイル

4月23日から6月19日まで、東京の麹町で「空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン展」が開催されています。「旅」がひとつのテーマになっているこのエキシビションにはどうしても行きたくて、ゴールデン・ウィークの開始とともに訪れました。入場無料というのも嬉しいけれど、それゆえに休日は混雑するので事前のオンライン予約がお勧めです。

ルイ・ヴィトンと聞いて思い浮かべるのは、大学生のころに母からよく借りていたポシェットやバケット型の手持ちのバッグ。「旅」との共通点なんてどこにあるのだろうと思っていたら、現代のラゲージ(スーツケース)の前身がルイ・ヴィトンが創ったトランクだったのです。齢はまだ14歳のころに故郷のスイス・ジュラ地方を離れ、2年間歩いて旅をした先は仏国・パリ。そこで日常用品や衣装を荷造りする木箱職人の見習いとして仕事をはじめます。この経験をもとに船や鉄道、飛行機など、旅の手段に合わせたトランクが生み出されました。

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ルイ・ヴィトンのトランクの用途は旅に限らず、お客さんを家に迎えるときに花を入れて飾るトランクや、書籍やライティング道具を入れたものなど実にさまざまです。ワードローブ用、帽子用、書籍用と、それぞれにこだわりのあるトランクの使い方が当時の持ち主のセンスをうかがわせ、憧れを抱きながらも少し反省しました。だって、私のようにスーツケースに何でもかんでも物をポンポン入れ、旅先からはすき間というすき間にお土産をぎゅうぎゅうに詰め込むような使い方ってまったく品がない──。

でも、私も当時と同じような使い方をしているものがありました。上の写真の中央に写る小さな取っ手のついた鞄は、20世紀はじめに作られた「スティーマーバッグ」で当時の旅のサブバッグとして使われました。「着用済みの衣類(洗濯物)をトランクに一緒に入れてもいいのか」という疑問から生み出されたもので、折りたたんでトランクの底に収納していたのだとか。私も旅するときには折りたたみのバッグをスーツケースに忍ばせていますが、そんな旅スタイルが当時から受け継がれてきたのかと思うと、その最先端をいくルイ・ヴィトンの旅って素敵だったんだろうなぁと思いを巡らせています。


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2015年04月17日

旅と思い出

今年の1月から10週間に渡って外国語ガイドの勉強をし、その集大成として3月のある土曜日に実際にガイドを行いました。観光客として来てくれたのは、アメリカ人のRonさんです。日本に住み始めてもう38年、私が生まれるずっと前から日本にいるので、私より日本のことを知っているだろうし、日本語も理解できるはず。それでも、英語だけで、何も分からない旅人を装ってくれたRonさんが、私の初めてのガイドのお客さまでした。

ガイドを務めたのは、東急池上線・池上駅をスタート地点とし、池上本門寺、それから門前町の商店街を巡るコースです。私の担当は、本門寺の総門と此経難持坂という石段、それから仁王門についての説明でした。初めてのガイドでドキドキ、何をしゃべったのか、もう既に覚えていません。写真中央の赤いコートを着ているのがRonさん、そしてその周りを囲む6名のメンバーでしたが、チームで色々と準備して臨んだこのガイド、きっと池上の町を訪れる度に思い出すんだろうなと思います。

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ガイドの途中で、Ronさんがこんなことを言いました。「お土産にはね、それそのものよりも大切な価値があると思ってるんだ。僕は、旅先で必ずベースボールキャップと、コーヒーマグを買うんだけど、旅から帰ってきて、それを使う時には必ず旅先のことを思い出す。もらった側も、これはいつ誰にもらったなって、使いながらその人のことを思い出すんだと思う。お土産って、そのモノの価値よりも、それに詰まった思い出が大切なんだ」と。これには妙に共感──なにか思い出が伴うものはずっと忘れることがありません。

なぜ私が外国語ガイドの勉強をしようと思ったのか。海外などの慣れない土地では、人に優しくされたり、現地の人しか知らないようなことを教えてもらうと嬉しいものです。人の温かさを感じると、その土地までもが好きになってしまう──そんなことってありませんか? 近年、訪日外国人観光客は1,300万人を超え、今後も東京オリンピックに向けてさらに増えることは間違いありません。また日本に来たいと思ってもらえるように、旅する外国人を見かけたら、「何か困ったことはありませんか?」と声をかけることから始めようと思っています。
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2015年01月07日

バーボンウイスキー

バーの片隅に飾られた1枚の写真には、体の大きい外国人のおじさんと、その半分くらいの日本人のおじさんが並んで写っていました。店内で唯一の人物写真で、きっと何か大切な思い出があるんだろうと察しました。ここは家族でよく訪れる徳島一のバー『BAR TOYOKAWA』のカウンターです。

3杯目のカクテルを飲み始めた頃でしょうか。リクエストした"Around the World(世界一周)"という名前のカクテルを飲み終え、これで世界の旅ができるかなぁなんて話していると、マスターの豊川さんがこう言いました。

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「私も世界を旅したことがあってな、ほの写真、この店に引っ越してすぐの頃やわ。もう25年以上も前、隣で肩組んどるんは『Jim Beam(ジム・ビーム)』の当時の経営者でな、六代目のブッカーや。」と──。ジム・ビームとは、バーボンウイスキーの世界トップブランドで、バーボンウイスキーとは、アメリカ・ケンタッキー州生まれのウイスキーのこと。原料はトウモロコシを51%以上使い、2年以上熟成、水以外を加えずにアルコール度数40%以上でボトリングするなど、原料や製法がある基準を満たさなければストレート・バーボンとは呼べません。

豊川さんは、お店でバーボンを使うなら、それを作っている所を見ておきたかったと、工場を見て旅したそうです。さすが、かつてのバーテンダー日本チャンピオン。お酒については上を行く人がいません。このバーを訪れる度、お酒の原料や産地、違いなどについて色々と教えてくれ、密かにそれを楽しみにしています。いつか本場で本物のお酒を飲みたいなぁと思いながら──。私がお酒を語るにはまだまだ早いけれど、いつの日か、この写真のストレート・バーボンを一口、くいっと飲ませてもらいたいなぁと、願っています。
posted by Amelia at 22:38| Comment(0) | 旅の出会い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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