2016年07月05日

中国のタクシー事情

中国での移動は、もっぱらタクシーが便利(とは言ってもおそらく田舎エリアだけ)。今回の旅ではタクシーしか使いませんでした。重慶も武漢も、地下鉄やモノレールが普及しているというのにタクシーを勧める理由は、初乗り運賃がたったの10元(1元=約15円)で、そのうえメーターがあがるまでの区間が異様に長いのです。おそらく5kmくらいまではメーターが変わることなく、支払いは10元ぽっきり。ドライバーも、日本人だから多く請求してやろうなんていう考えは皆無のようすです。

重慶でも武漢でも流しのタクシーがたくさん走っていて、手を挙げれば道路の脇に停まってくれるシステムは日本と同じです。ドライバーには、日本語はおろか英語でさえもほとんど(いや、全く)通じないけれど、行き先を書いたメモ用紙を見せればコミュニケーションは完了。あとは目的地のすぐそばで降ろしてくれるのを祈るだけ──。

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どの運転手も、たいていは自分のスマートフォンを運転席の近くに設置し、画面をオンのままにしています。その目的はナビゲーションだったり、LINEみたいなアプリで彼女らしき相手とハートのスタンプだらけのチャットをするためだったり、音楽を聴くためだったり。中国のタクシー運転手の使命は、乗客の行きたいところへ送り届けるだけだということに気づきました。その道中は乗客に気を遣うことなんてなく、乗客側も、お行儀よく座っているのはきっと日本人だけなのでしょう。

一つだけ注意したいのは、中国では車の割り込みも日常茶飯事だということ。ハイウェイや一般道関係なく割り込む、割り込む。4車線の道路が5車線になり、少しでも隙間を見つけようものならそこをくぐって追い抜き作戦。クラクションを鳴らしながら我が道をいき、巧みにすり抜けていくようすには開いた口もふさがりません。ちなみに、車内に設置された写真と違うドライバーが運転していることもしょっちゅう。最初は驚きましたが、実を言うと、こんな自由でアバウトな感じが好きだったりもして──。


中国行きのフライト

(前回の記事はこちら

重慶行きのフライトの出発予定時刻は午前10時ちょうど。8時頃に成田国際空港に到着しました。向かった第3ターミナルは2015年4月に営業をスタートしたLCC専用のターミナル。ここからスプリングジャパンのIJ1021便も出発します。チェックインカウンターは団体用と個人用に分かれ、団体エリアはすでに中国人のグループで長蛇の列ができていました。中国人は団体ツアーで日本を訪れるのが主流のようで、個人カウンターは空っぽ。待つことなくスムーズなチェックインが可能です。いや、そもそも日本人客がわたしたちのほかに見当たらない──。

スプリングジャパンが使用する機材はボーイング737-800で、客席は189席仕様です。通路の両側に3席ずつの横6席で、中国人客で機内はほぼ満席。最後列のシートでよかったとホッと胸をなでおろします。搭乗してきたおばちゃんやおじちゃんのグループがわいわいガヤガヤ。2列前のおばちゃん3人組が並んでぴょこっと顔を出し、後ろに座る友人(らしき人)に写真撮ってとせがみます。修学旅行のような遠足のような賑やかなテンションを保ち、うるさいのなんの。でも、その楽しそうで無邪気な姿は、まるで小学生がきゃっきゃとはしゃいでいるようで、ついつい笑ってしまいました。

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成田から重慶までの飛行時間は約5時間。中国人は飽き性なのか、じっとしていられない性分なのか──どちらもきっと間違いではなく、いつもどこかで誰かが席を立ってうろちょろ。単通路で小さな機体だから、後方のラバトリー(化粧室)の順番待ちに10人も並ぶと、機体の中央近くまで列が伸びることも。人目をはばからず、通路に立ったままお菓子を食べる人なんかもいたりして──。3時間ほど過ぎてから行われた「春秋体操」は、本来エコノミー症候群を予防するもの。これって、実は中国人にぴったりの体操なのかもしれない。みんな大真面目に真剣に、客室乗務員のデモや掛け声に合わせてストレッチをしていました。

中国人の面白さは、富士山が左側に姿を見せたときにも顕著に現れました。乗客の3分の1くらいが(要は右側席の乗客の多くが)座席を立って左の窓を覗きにいきます。なかには左側席の見ず知らずの乗客の膝のうえに座る勢いでグイグイと迫り、窓ガラス越しに写真を撮ろうとする人さえも。日本を離れ、最後に富士山をカメラに納めようというのか、はたまた野次馬タイプが多いのか──わたしは、そんな光景を写真におさめつつ、機体がバランスを失って傾きやしないかとハラハラしていました。

2016年06月07日

スプリングジャパンでゆく重慶&武漢の旅

人生で初めて、中国大陸へ足を踏み入れました。台湾や香港へ行ったことはあっても本土を訪れたことはなく、興味はあったものの躊躇していたことも本心です。今回はスプリングジャパン(春秋航空日本)を利用して重慶と武漢の旅へ──土地も空も道路も建物も、何もかもが広大な中国は、初訪問でビギナーのわたしを温かく迎え入れてくれたように思います。

スプリングジャパンは、「春秋航空公司」という中国・上海を本拠地とするLCCのグループ会社。とは言え、パイロットや客室乗務員を含む社員のほとんどが日本人で、親会社の就航路線とは別にルートを置いて独自に運航する日本の会社です。その就航都市は独特で、日本国内は成田=広島、成田=佐賀線の2路線。一方の国際線は、日本のLCC各社が日本人に馴染みのある台北やソウル、香港などに就航するなか、今年の2月から成田=重慶、成田=武漢線を運航しています。

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”重慶”と”武漢”──正直なところ、地図を広げてもすぐに見つけられる都市ではありません。重慶は、成都のある四川省の右隣の重慶市の直轄市、武漢はさらに右隣の湖北省の首都。行きは成田から重慶へ、帰りは武漢から成田へとスプリングジャパンの便を利用し、重慶から武漢へは中国鉄路高速(CRH)に乗って陸路を移動しました。旅を共にしたメンバーはその道のプロが勢ぞろい。航空ジャーナリスト/作家の秋本俊二さんをはじめ、ダイヤモンド・ビッグ社『地球の歩き方』編集長の鈴木達也さん、トラベルライターの永田さち子さんと芹澤和美さんの4名と一緒に中国を巡りました。

滞在したほんの4日間で、長年積みあげてきた中国人への偏見が払拭されたような気がします。なんか強引だし、人と人との距離感が近すぎて不快だし、声が大きくて怒っているようだし、爆買いなんて下品──そんなネガティブの塊が、帰路につくころには”親近感”に様変わりし、意外にも「また中国行きたいなぁ」と爽やかな余韻を残しています。何回分のブログを書けば、わたしの心境の変化を伝えられるでしょうか。現地で綴った殴り書きのメモを解読しながら旅を思い出し、これから数週間かけて中国の旅シリーズを更新していきたいと思います。
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